[Blog]Vetterとの出会い[2/3]

不安でしかなかったイギリス旅。

それを変えてくれたのが、

Vetterとの出会いでした。

最初の投稿はこちら:

1. ロンドンで路上ライブを探す。

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Hvetter Web:https://hvetter.bandcamp.com

Youtube page:https://youtu.be/GxdAqDC9sHw

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目次:

1. ロンドンで路上ライブを探す。

2. ループステーションの音

3. 音楽でまた、世界のどこかで。

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2. ループステーションの音

ロンドンで初めて聴いたBusking。

考えるよりも行動した方が早い。

翌日意を決してBuskingに混ざる。
場所はトラファルガースクエア。

ナショナルギャラリー正面。

ここも恐らくBusking一等地。

いろんな人たちが道路に並ぶ。
といっても、まぁ何をするやら。

適当に曲を弾いて歌ってみるが

観光客の喧騒に音はかき消される。
更に言えば

凄まじいテクニックもない。

滅茶苦茶な美声でもない。

圧倒的なルックスでもない。

超絶的なセンスもない。
唯一の目立ちポイント「日本人」

たぶん、それだけで興味は惹けた。

それでも怖い気持ちはあるわけで。

日本人の集団を見ると、

つい演奏を止めてしまう。

何となく怖い。批判されると思う?

反応が直に聴こえるのが嫌だった?

理由は判然としないけれど、

結局自信がなかったのは間違いない。
30分くらい頑張ったけど、やめた。

もちろん収入なんてまったくない。

気分転換に次の広場へ移動してみた。

移動先は歩いて10分くらいの

レスタースクエア:リンク
ここもライセンスは要らないらしく

Busking支援のTシャツ着たおっちゃんが

演奏して良い場所を丁寧に教えてくれた。

初めてのBuskingに正直疲れたのと

とりあえずドキドキを落ち着けるため

少し座って様子をみることにした。

すると、優しいギターの音が聞こえた。

*

アコースティックだけど、少しだけ

エフェクターも効いた優しい音色。

そしてルーパーによる多重録音。

上手い。そして心地良い。

目を向けると一人のミュージシャン。

近づいて、演奏をもっと聴いた。

うまい。そして雰囲気が好き。
ここからは直感だった。

10分くらい聴いたら演奏を終えて

どこかに移動しそうだったので、

意を決して声をかけに行った。
是非名前を教えてほしいこと。

演奏が最高だったこと。

時間があれば話が聞きたいこと。
そしたら、少し場所を変えるから

一緒にしないかと誘ってくれた。

同じ区画の中の歩いてすぐの場所。

(TKTSというチケットセンター横)
「ここでやっても良いと思う?」

「良いでしょ、怒られたら動こう笑」

みたいな話をしながらもう1ステージ。

やっぱり演奏曲は最高に好きだった。

そして、誘いで一曲弾かせてくれた。

マイクもないので

カバーインスト曲を演奏した。

演奏したのは田中彬博さんの

太陽のエチュードという曲。

少しアレンジして弾いたら、

気に入ってくれたらしく、

少し距離が縮まった気がした。

*

観客もボチボチ集まってきたとき

いきなり乱入してきたイケイケの

真っ赤な服のカラオケお姉さんに

しぶしぶ場所を明け渡すことに!!

「30分待つから、次は私の番ね!」

良い場所はこんな感じらしい笑。

順番待ちの文化もここで学んだ。

時間が丁度できたのを理由にして

近くのベンチに誘って話を聴いた。

*

イスラエル出身だということ。

3年間従軍期間が必ずあって、

バンドでギターを弾いて過ごしたこと。

祖国では稼げずヨーロッパに来たこと。

今の演奏手法は3年前から始めたこと。

デンマーク人の彼女が来週水曜日に

ロンドンに来て一緒に演奏すること。

イスラエルのイメージは戦争だったので、

素直に質問をぶつけてみたら全く違う。

物価や都市規模はロンドンと同じくらい。

危険なのは国境などごく一部らしい。
いくら話を聞いても興味が尽きなかった。

でも、あまり時間を拘束するのも気を遣う。

名残惜しいなと思っていたら

「今夜演奏するから一緒にどう」

とオープンマイクイベントがあるPUBを

紹介してくれた。(もちろん快諾した!)
そして気づくと4日連続、毎日Vetterと

夜にPUBでオープンマイクに参加した。

彼の音楽が好きだったことはもちろん、

人間的な優しさにとても惚れ込んでいた。

昼間はそれぞれが街をまわって活動し、

夜は毎晩PUBに行ってお酒を飲み歌う。

とても満ち足りた夜だった。
それと同時に、昼間が苦しくなった。

「何かできることはないか、何か」

この感覚はきっと焦りだった。

Vetterは毎日路上で稼ぎ生計を立てる。

自分は1円も音楽で稼げていない。

片手に常に持っているギターは飾りか。

写真が好きだと良いながら、

写真でも何もできていない。
とにかく怖くて、毎日殻を破ろうと

街へ向かった。
*

Next→:3. 音楽でまた、世界のどこかで。
それでは、また。