[Blog]29歳。初ヒッチハイク[3/3]

たくさんの出会いをくれたゆうちゃん。
彼らとの出会いをくれたヒッチハイク。
何かのきっかけが、あるかもしれない。

できることは、試すことだった。

***
目次:
1. ゆうちゃんとの出会い
2. 助けを求めて福岡へ
3. 人生初のヒッチハイク
***

3. 人生初のヒッチハイク

自分がヒッチハイクをするとは
今まで想像したこともなかった。

そしてヒッチハイクのやり方も、
テレビで観たイメージくらいだ。

①行きたい場所をマジックで書く
②道路脇でスケッチブックを掲げる
③停まってくれるまで根気よく待つ

このくらい。

とはいえ、
どこでやるかも重要な気がする。
博多駅にいるんだから開始はここ。

覚悟を決めて博多駅筑紫口へ向かう。
国道385号線が今回の舞台になった。
*
とはいえ、正直な話。
たくさんの車がいるのはもちろん、
たくさんの通行人も博多には居る。

そりゃあもう、すごくたくさんだ。

とりあえずスケッチブックを出す。

目的地はどこを書けば良いんだろう。
そういえば宗像大社に行ってみたい。
そんな理由で初の目的地は「宗像」
博多駅から車で1時間くらいの距離。

掲げる。

後ろから声がする。

(「あれ?ヒッチハイク??」)
(「えー、すごいねー。」)
(「珍しいねー。」)

・・・恥ずかしい。
すごく、恥ずかしい。

通行人にめっちゃ見られる。
ドライバーにもめっちゃ見られる。

一回落ち着こう。
開始5分でスケッチブックを閉じた。
*

現状を冷静に分析しようとする。
(分析するふりをして落ち着く)

恥ずかしさは仕方ない。人目も。
やると決めたからには仕方ない。

そういえば、
目の前をバスが通る頻度が高い。
車が停まりにくいかもしれない。
良くない。ここはきっと良くない。

少し歩いてみよう。
100mほど移動する。

スケッチブックを掲げる。
通行人は、もう無視する。

ドライバーと目が合い始める。

そしたら、

さらっと会釈してくれる人。
ニヤニヤしたり笑っている人。
「ごめん!」ってしてくれる人。
完全無視のスルースキルをもつ人。
いろんな人が居た。

今だから冷静に書いているけど、
このとき一番辛いのは完全無視。
存在を認識されないことがこれ程とは。

好きの反対は嫌いではないと言うけど、
好きの反対は無関心だと、肌で感じる。
精神ダメージがどんどんと蓄積される。

次点でニヤニヤしながら笑っている人。
表情から勝手に悪い想像をしてしまう。
「ヒッチハイクとかダサいなー」
「お金ないのかな?大丈夫?あの人」
こんな言葉が頭の中に鳴り響いていた。

この2パターンに精神はどんどん削られる。

少し場所を変えながら20分程頑張るが、
車が停まるイメージが、全くできない。

精神的にキツい。

一度中断して座り込む。
「やっぱり特別な人しかできないのかも」
そんなことを思った。

「自分には向いていない」

*
ドライバーを見るのが怖くなった。
あと5分で停まらなければ辞めよう。
よく頑張った。諦めて電車に乗ろう。
そう決めた。

奮い立たせてスケッチブックを掲げる。
・・・すると直後。

一台のカングーが道路脇に停車した。

(ルノーのカングー、お洒落だな)

思っていたらお兄さんが窓を開ける。
「乗っていきなよ」と言ってくれた。

・・・あ、ヒッチハイクできた。
「乗っても良いんですか?」
「良いよー。家も近いから」
*
車に乗って名前とお礼を伝える。
すでに興奮状態のMitsuhiko。

本当に嬉しい。
でも、大丈夫だろうか。
もしかして騙されたりしていないか。
いやいや、いい人そうだし大丈夫だ。
そんなことをほんの一瞬考えていた。

その時、

視線の端に見慣れたケースがあった。

「お兄さん、ギター弾くんですか?」
「うん、ミュージシャンもしてるよ」

この瞬間の驚きと興奮がすごかった。
人生初のヒッチハイクで救世主が何と
自分が目指しているミュージシャン。

なんだろう。
「君はヒッチハイクをしても良いんだよ」
って肯定されたような気持ちになった。
ダッシュボードからCDを出してくれた。
こんなことがあるんだな。。。
*
乗せてくれたのは
Waterlooさん(ワタルさん)
気さくで少し年上のお兄さん。

CDを見せてもらったときに
「イギリスに同じ駅がありますよね」
と話をすると2年留学していたらしい。
ここでまた興奮してしまった。

音楽とはイギリスで出会ったらしい。
友人が弾くジャックジョンソンを聞き
ギターに出会い演奏を始めたと聞いた。

そこから約1時間。
いろんな話をしてもらった。

その中で、自分の弱い部分も話した。
初めてのヒッチハイクで怖かったこと。
自分の価値観音楽感に悩んでいること。
将来のこと。家族のこと。生活のこと。

素直に言葉が出てきて、
いろんな言葉を貰った。

ワタルさんの経験も沢山聞いた。

「なんで乗せてくれたんですか?」
そう聞くと、ワタルさんは
「雰囲気が自分に似ていたから」
と答えてくれた。

初めて会ったのに、こんなにも
優しく話をしてもらえる嬉しさ。
そんなことも、素直に伝えた。

*
そのまま宗像大社へ行く予定が、
ワタルさんお勧め宮地嶽神社へ。

とても気持ちが良い場所だった。
商売の神様で有名な場所であり、

「光の道」という写真も有名らしい。
写真家さんがこぞって集まるようで、
この日4人くらい会って話しを聞いた。

ワタルさんとはここで別れるつもりが
夜には小倉で演奏があると聞いたので、
小倉まで一緒に乗せてもらった。
(実家でコーヒーもいただいた。)

そこからの移動も、沢山の話をした。

***

夜。小倉。
Cotton Dancer。

初めて聞くWaterlooさんの演奏は
ガットギターと流暢な英語の歌詞。
優しさと曖昧さのある音楽だった。
力の抜けたとても居心地の良い音。

ゆったり、揺れながら聞いていた。
自分はこんな雰囲気が好きなんだ。
そう、再認識させてもらった。

気づけば夜の12時になっていた。
12時間以上一緒に居させてもらった。

素敵な出会いに、ただ感謝するばかり。

ワタルさん、ありがとうございました。

***
その後、深夜1時。

島根に帰るためには
新山口駅に停めた車まで
辿り着かないといけない。

開き直ってもう一度ヒッチハイク。
すると10分も経たずに車が停まる。
(深夜1時過ぎなのに!)

乗せてくれたのはカズヤさん。
*

飲食店を経営するカズヤさんは、
仕事終わりにバイトを送った帰り。
普段は車は使わないと笑っていた。

この日だから、運命的な感じです。

自宅に帰ってジムに行く予定を
妻のユキさんに電話をしてくれて
「ジムに行くより面白いことが起こったよ!」
「ヒッチハイカー乗せたから一緒にいこう!」
と、すごい連絡をしてもらった。

気づいたらユキさんと3人でドライブ開始。
ユキさんからは暖かいコーヒーまで。
カズヤさんはもちろん、ユキさんもすごい!

*
車の中で、3人でたくさん話をした。
カズヤさんやユキさんの今まで。

働きながら28歳で独立を目指したこと。
それまでにあった葛藤や職場での苦労。
自分が抱えている悩みも素直に話せた。

2人の優しさが嬉しかった。
そして、自分の言葉がきっかけで
2人がワクワクすると言ってくれた。

正直、ヒッチハイクをするときに
「ヒッチハイク=迷惑をかける」
こんな想いが頭の中にはあった。

でも、この不安は消えていた。
素直に甘えたら大丈夫なんだな。
こんなにも優しいんだと知った。

深夜ドライブは、あっという間に到着。

カズヤさん、ユキさん。
本当にありがとう。

***

初めてのヒッチハイク。
出会いに感謝するばかり。

ありがとうございました。

もっと人に会いたくなった。
どこまで行けるのか知りたかった。

この想いは、

4月の北海道ヒッチハイクへ繋がる。

とりあえず今回の話はここまで。

*

「初めての人とこんなに話せるんだ」

これが初ヒッチハイクの感想でした。

 

2組ともとても優しかった。

2組とも過去の葛藤があった。

 

ヒッチハイク、面白い!

これか、ゆうちゃん!笑

 

納得です。

 

それでは、また!

 

 

Mitsuhiko.