呼吸はざらつき心は軋む|2025.05.20
この言葉が
正しく伝わるか分からない
息を吸う時
息を吐く時
心地悪さがそこにいる
心を落ち着かせる時
大きく息を吐き
数十秒かけて
息を吸うことがある
同じように
数十秒かけて
息を吐く
ゆっくりと
吸い込む時も
吐き出す時も
鼓動のリズムの表面に
張り付いたような何か
別の生き物のように
痛む
それが
どうしようもなく
悲しい
*
物事の正しさは
いつも曖昧であるはずと
自覚するけれど
想いは一方的で
互いに一理あって
グラデーション地点を
見つけられるかに
かかっている
それをいざ
口に出したら
こちら側を
削り取りながら
白と言えども
黒く染まる
対話とはこんなにも
難しかったのだ
*
虫の知らせを
感じることがある
それに身を委ねても
一つのきっかけにしても
誰も責めはしない
ただ生み出された結果は
時に残酷に心を折る
ここに
誰も悪者はいない
だた
意思疎通できない
事実が残るだけ
悲しさを外に出すと
どちらかへの
バッシングを生むのでは
そんな気がするから
言葉にするのが憚られて
心の中の箱にしまい込む
箱はとっくに
軋んでいる
硬いまま
動かない
軋みながら
揺れる
揺れて揺れて
眠れなくなる
心は
無痛のはずが
いくつもの思考が
一人の中に分離した
こうやって守られながら
どうにかやってきたのだなと
労う方法も見つからない
軋むことを感じ
時とともに馴染むのを
待つのだろう
そうやって佇む
心のしなやかさ
どこに向かう
深くゆっくり
沈む体験が
誰かの目に届く
ことはないから
こうして文字に
認めるしかない
それ以外にない
環境が合わないかもしれない
社会が合わないかもしれない
だけど合わないのだよ
合わないのなら
合わないよ
そうやって
やっと気づいた