気づくこと、しまうこと|2025.05.22
会話の微妙な揺れや
視線のくい違いを
見つけてしまう
声の高さや
息の音が
伝わってしまう
優しさは
自分を守る術で
一方的に
身について
たくさんのことに
気がついてしまう
*
知らなくていいことは
世の中にたくさんあって
気づかなければ
幸せなこともある
見えないまま
過ごすことを
無意識に選べば
それは平穏で
一度見えてしまったものを
もう一度忘れることは
難しいから
どうか幸せであってほしいと
願うことしかできない
*
出会う人からもらう
たくさんの気づきは
僕をいつも
育ててくれる
たとえ痛みを伴っても
糧となって芽を咲かす
自分の中なら
どうにか咀嚼できる
だけど
僕の大切な人はどうだろう
気づきによる変化を
一方的に促すことと
同じじゃないだろうか
無意識の中の反応
意図しない表情
それを僕は
掬い上げてしまう
とても愛おしくて
悲しそうに見えるから
*
気づきを渡すことは
求めることに似ている
相手の中に種を与えて
芽吹くために水をやる行為
僕にとっては優しさでも
種は必要だっただろうか
***
**
*
大切に思えば思うほど
心と体が割れていく
求めたい愛と
認めたい心
選べなくなって
対話をしたいけれど
それも時間を奪う行為だ
誰かを愛するということは
こんなにも複雑で
だけどせめて
できることはしたい
2人が
共に幸せであるために