不幸を手放す勇気と、幸せを受け取る余白|2026.03.20
不幸であることは
僕を守る盾だった
少し息苦しいくらいが
優しさを学び続け
誰かのために生きる
糧になる
そう信じていたし
できていると思った
幸せであることは
怖かった
幸せは僕を緩ませる
思考が散漫になり
人を傷つけてしまったり
誰かの声が届かなかったり
どこか
傲慢になってしまう気がした
だから
幸せであることは
不幸に思えていた
幸せであってはいけない
なぜかそう思った
生きていたら
いろんなことを考えて
手放したり手に入れたり
出会ったり別れたりして
気づいた時には
飢えや渇きと
生きると決めていた
2020年
もう6年も前のこと
飢えや渇きと共に生きる|2020.06.26
この時の文章は
僕の中から溢れ出ていた
よくわからない感情と向き合い
美化することなく
淡々と生み出す
その文章を読んで
潔さを感じた
今それに倣ってみる
***
一人でいることは
とても心地よかった
何が起きても
数日寝ておけばどうにかなるし
好きなことをして
嫌いなことからは距離をとり
失敗した時は
適度に愚痴を吐いて
また日常に戻る
この6年で変わった
大きなことはきっと
人に相談することが増えたこと
自分のことが
思ったよりもわからなくて
それを知るためにずっと
自己開示をし続けている感覚
それを受け止めてくれる人たちが
何人かいてくれることの幸せを
感じている一方で
その人たちを羨ましく思う自分もいた
みんな家族がいて
お金を稼いでいて
僕に優しさを分けてくれる
僕はその人たちから
面白いと思われないと
生きていけないのではないか
そんなことをよく考えている
人に価値を感じてもらえる生き方
そこに価値を置く自分
いい悪いではなく
生きるための手段として
価値を提供すること
見捨てられないように
面白く生きていくこと
自分のやりたいことのような
だけど
相手に合わせているような
今もよくわからない
*
自分が弱くある方が
人は助けやすい気がしている
どこか欠けていたり
少し不幸だったり
できないことが多い方が
手を差し伸べてもらえる
確率が増すのではないか
そのためには
僕は持たない方が良くて
弱い方が良くて
曖昧な方が良くて
生きる力を
適度に手放していた方が
良い気がしていた
そんな人が周りに居ないから
僕をみてもらえる気がした
面白い人間としての僕を
だから肩書きも要らない
名刺も要らないし
所属することもない
ルールの中にも入りたくないし
やるべきことを手放したい
そう思いながら選んできた
そしたら自分からは
選べなくなってしまった
僕がしたいことは
適度に不幸を味わいながら
与えられる幸せを味わうような
自分を漂わせている時間
漂うことに良いも悪いもなく
ただ生を味わうこと
そう思っているのに
世界は少しだけルールが違って
仕事とかお金とか
繋がりとか役割とか
何かを持たないと
グラグラと崩れていく
そんな恐れと背中合わせで
僕は漂い続けている
どこに辿り着くかもわからず
違和感とだけ向き合いながら
自分の精度がどの程度かは
目の前の世界と一致しているような
傲慢な感覚も持ち合わせていて
僕が美しく生きられたら
世界も美しいのではないかと
曖昧にも信じている
その美しさが全然わからないのに
期待している自分も居る
だから僕はこうして文字を綴る
毎日潜る思考の海で
気づきを置いておくために
悩んできた自分の軌跡だけ
せめてわかるように
同じような悲しさと
共に生きている人に
少しだけ寄り添える
場所になるために
僕は文字を残している
***
**
*
僕のエネルギーの源は
悲しさだと思っていた
その方が良いものが生み出せる
その方が悲しみにくれる人に寄り添える
だから僕はこの悲しさを
手放すわけにはいかない
どうか悲しいままで
少しでも多くの悲しさを癒す
優しい人でありたいと
そう願っていた
ずっと前に
悲しい人を癒すことで悦に浸る
自分自身を今も抱えたまま
僕は生きていた
僕は幸せにならなくていい
だって
僕は不幸でも幸せだから
小さな幸せを味わうために
適度に不幸であることが
僕の生き方だと思っているから
だからどうか
僕の代わりに幸せになってほしい
そう本気で思っている自分がいる
これ、正しいんだろうか
疑問が過った
幸せであることは
幸せと共に生きることは
僕にとっての不幸なのだろうか
気づいてしまった
幸せでありたいと
この悲しみを手放したいと
それは誰かと共に生きることで
僕の悲しみを渡してしまう
怖さに気がついたから
言葉を交わしながら
自分が悲しくあろうとしている
事実に気がついたから
誰かに言う
大丈夫
自分にはずっと届かなくて
誰かから言ってもらうのを
ずっと待っていた気がした
僕の存在を
無条件で認めてほしい
泣いている僕を
ただ黙って抱きしめてほしい
そう願いながら
甘えることを怖がり続けて
一人でも生きられるふりを
続けていた
誰かといたいと思う時
僕ができることは
自分を削ってでも
愛を渡すことだと
本気で信じていた
相手が幸せにあってくれたら
きっと僕も幸せであれると
願っていたんだと思う
その順番が間違っていると
やっと辿り着いた気がする
僕が幸せで在らないといけない
僕が不幸ではいられない
世界が美しく幸せであるためには
僕が美しく幸せでないといけない
僕の目から全てを見届けているのに
僕が幸せじゃないと全て歪むのに
なんでこんな簡単なことを
見落としていたんだろうか
そう思うくらい簡単なこと
だけどきっと慣れるまでにまた
時間がかかること
少しずつ
僕は幸せに慣れていく
不幸であることや
悲しみに暮れることを
傍に置きながら
幸せの温度に触れていく
少しずつ柔らかに
6年かかった
いや
38年かかった
出会って
感じて
味わって
手放して
悲しんで
泣いて
笑って
離れて
導かれて
佇んで
漂って
ぶつかって
沈んで
浮かんで
揺れて
立ち止まって
息をした
その度に悩んで
思考を巡らせ続け
やがて
人と言葉を交わし
弱さを晒しながら
安心を受け取って
世界が少しだけ
優しく見えた
遠かったような
すぐ傍にあったような
幸せ
ずっと持っていたいような
だけどもう必要無くなった不幸
悲しみも
苦しさも
痛みも
泣いている僕も
ずっと一緒にいるだろうけれど
やっと幸せを受け取る器が
僕の中に形作れたんだと思う
余白
優しさや柔らかさと共に
気づいて愛していくための
僕が手に入れた形
世界はすぐに
奪おうとする気がしている
いろんな手を使って
その時僕はどうするだろう
嫌だな
こんなに悩んで手に入れたのに
また手放すことになるだろうか
そんな恐れもまた
僕の一部だから
味わって
楽しんで
上機嫌で
いつか僕が楽しかったと
目を閉じるその時まで
どうか一緒に
最後の時は誰しも一人と言うけれど
僕の中にはたくさんの僕がいるから
きっと寂しくはないだろう
そして
わからないけれど
その時にはきっと
僕の大切な人たちが
涙と笑顔で見送ってくれる
未来も想像できるようになったから
もう少しこの人生を
味わってみようと思った

この世界には流れがある
巻き込まれることもあるだろうし
怖くなることもある
だけど全ては流れの中で起こるから
逆らわず身を任せ
味わいながら上機嫌にいたいと思う
そして大丈夫と
泣いていた僕に言い続ける
そうやって初めて
僕は周りの人にも優しくなれる気がした
手放して
受け取って
寄り添って歩いていく
小さな一歩を重ねて
少しずつ形を変えて
まだ知らない自分と出逢いながら
余白を味わいながら
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